
カウンセリングSORAの関口です。
これまでの自分自身の人生を振り返るとともに、多くの方々から寄せられた人生相談を思い返す中で、私は「人生をより良く生きるためには、人としての生き方を学ぶことが大切だ」と実感しています。
人としての生き方を知ることで、これから歩むべき道が少しずつ見えてくるからです。
そこで、みなさまの人生に少しでも役立つヒントをお届けできればと思い、人としての生き方に学べる書籍を引用しながらブログを綴っています。
しばらくの間は、「イソップ寓話」からの引用をもとに、生き方について一緒に考えていきたいと思います。
今日の言葉
イソップ寓話より引用
137)蚊と牛
蚊が牡牛の角に止まって永らく休んでいたが、飛び去りぎわに、もう離れてもらいたいか、と尋ねた。牛が答えて言うには、「お前が来た時も気づかなかったし、離れて行っても気づかないだろうよ」いようがいまいが、毒にも薬にもならぬ無力な人に、この話は適用できる。
【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】
自分の価値は行動をもって高めよう
なぜ、蚊はわざわざ牛に「もう離れてもらいたいか?」と尋ねたのでしょうか。
おそらく蚊は、自分が牛の角に止まっていることで、牛が不快な思いをしているに違いないと考えたのでしょう。そして、牛の感情を“気遣っているつもり”、あるいは“コントロールしているつもり”だったのかもしれません。
ところが、牛は蚊の存在にすら気づいていなかったのです。
こうしたことは、人間社会でもよく見られます。
たとえば会議の場で、立派なことを言っているようで、実際には何を言っているのかわからない発言。「自分はすごい」とアピールするだけの発言。議論を深めるわけでもなく、自分の主張をただ述べて終わる発言など。
こうした発言をする人は、まるで牛の角に止まった蚊のような存在です。
無価値な行動で人の関心を引こうとするのではなく、まずは自分の行動そのものが価値あるものであるよう努め、その結果として自然に人の注目や評価を得られるようになることが大切だと思います。
そのためには、日々の自己研鑽が欠かせません。
いずれは、牛の角に止まったときに、牛の方から「よくぞ、私の角に止まってくれました」と言われるような存在になれたら——それはとても誇らしいことではないでしょうか。
イソップ寓話集の「蚊と牛」を読んで、そんなことを感じました。
今日の問いかけ
みなさんのまわりにも、「蚊のような存在」になってしまっている人はいませんか? あるいは、ご自身がそうなってしまっていると感じたことはないでしょうか。
「今の自分の言動は、本当に意味があるだろうか?」
「誰かにとって価値のあるものだろうか?」
そんなふうに、自分自身を少し離れて見つめ直してみることも、ときには大切かもしれません。
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