目先の利益で、すべてを失わないために

    カウンセリングSORAの関口です。

    これまでの自分自身の人生を振り返るとともに、多くの方々から寄せられた人生相談を思い返す中で、私は「人生をより良く生きるためには、人としての生き方を学ぶことが大切だ」と実感しています。

    人としての生き方を知ることで、これから歩むべき道が少しずつ見えてくるからです。

    そこで、みなさまの人生に少しでも役立つヒントをお届けできればと思い、人としての生き方に学べる書籍を引用しながら、1日1文のブログを綴っています。

    しばらくの間は、「イソップ寓話」からの引用をもとに、生き方について一緒に考えていきたいと思います。

    目次
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    今日の言葉

    イソップ寓話より引用

    57)老婆と医者
    日を患った老婆が、礼金を約束して医者を呼んだ。
    やって来た医者は、薬を塗りながら、老婆が目を瞑る度に、一つずつ家具をちょろまかし続けた。
    すっかり盗み出したところで治療も終ったので、約束の報酬を求めたところ、老婆が払わないと言うので、役人の所へしょっぴいて行った。
    老婆の言い分は、目を治してくれたら礼金を払うと約束したが、治療のお蔭で前よりも悪くなった、というものだった。
    「だって、以前は家にある家具がすべて見えたのに、今は何ひとつ見えなくなったのさ」 このように、悪人は欲どうしさの余り、うっかり馬脚をあらわすのだ。
    【引用元 岩波文庫 イソップ寓話集 著 イソップ 翻訳 中務哲朗】

    目先の利益で失うこと

    医者は、老婆が目が見えないことを利用し、家具と診療報酬の両方を得ようとしました。

    しかし、老婆が視力を取り戻した際に家具がなくなっていることに気付かれるという事態を想定していなかったため、医者は報酬を得られませんでした。

    目先の利益に囚われ、全体を見渡す視野を失うと、最終的には利益を失うことになる。

    この寓話は、そんな教訓を伝えているように思います。

    最近では、若者が詐欺の片棒を担ぐケースが増えています。

    片棒を担ぐ理由は人それぞれでしょうが、目先の利益に惹かれて悪事に手を染めても、逮捕された場合、その後の人生は大きく狂ってしまいます。

    目先の小さな利益を得た代償として、はるかに大きなものを失うのです。

    そうした未来を予見する力がないなら、悪事に手を染めたところで、結局は自分自身が損をするだけです。

    いつの時代でも、人間は目先の利益だけを追い求めると、いずれほころびが表れ、破綻してしまうものです。

    『イソップ寓話集』の「老婆と医者」を読んで、改めてそんなことを感じました。

    今日の問いかけ

    「目先の利益よりも、先にある価値はなんですか?」

    私たちはつい、目の前にあるものに心を奪われがちです。 でも、少し立ち止まって、未来の自分が微笑んでいる姿を想像してみましょう。 いま、本当に大切にしたい価値は何でしょうか?

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